モンテ・ド・ゴゾ
6/3
モンテ・ド・ゴゾ
朝はゆっくり起きて、昨日残したスパニッシュオムレツをひと切れずつ朝ごはんにして、出発。いつもより1時間遅く出ましたが、それでも到着は早くなりそうです。
今日はついにサンティアゴコンポステーラを眼下に見下ろすモンテ・ド・ゴゾへ向かいます。距離にしてわずか15キロ。コンポステーラまでは残り5キロという地点。本来なら今日到着してもいいのですが。それはもうボタフメイロを到着日に見たいが為の牛歩作戦です。
ここは巡礼者が初めてサンティアゴコンポステーラの尖塔を目にする歓喜の丘と呼ばれるところです。モンテ・ド・ゴゾというのも歓喜の丘という意味だそうです。
15キロはこの私達の巡礼の中でも最短距離なのですが、やっぱり15キロあるのでそこそこ疲れます。慣れてきたとはいえ、そこそこ疲れます。
軽いアップダウンが続き、林を抜けたり、村を抜けつつ、着実にコンポステーラの町に近付いている感じがしてきました。
モンテ・ド・ゴゾのアルベルゲは400床、最大で800床という巨大アルベルゲだそうです。なのでベッドが埋まる心配はないでしょう。
というより、何か理由がない限り、わずか5キロ地点で泊まる人はいない筈です。
ガイドブックには午前中に巡礼証明書を受け取った人は、その日の昼12時に行われるミサの際、国名と名前を読み上げてくれるので、わざわざモンテ・ド・ゴゾで泊まる人が多いと書いてありました。
もうすでに顔なじみの巡礼者達とはペースがズレて、知らない顔ばかりで少し寂しいのですが、今日また足踏みをするのでさらに顔なじみの巡礼者とは会えないかも知れません。
プリンちゃん、ずんぐりむっくりさん、韓国のおっちゃん、ペンギンみたいにひょこひょこ歩く韓国人の女の子、韓国人夫婦、ジンベイさん、四国お遍路のおっちゃん、歌が上手い子、夜うめく女の子。名前も知らないほど会話もあまりできませんでしたが、会うたびにアイコンタクトやハイタッチ、ブエンカミーノと声を掛け合ってみんな自然と笑顔になったものです。勝手にあだ名を付けては、今頃あの人はどこを歩いているかと考えても仕方ないことを二人で話していました。
私達はカミーノ中、いつも二人でいたことと、英語ができないとあまりコミュニケーションを積極的に取らないので友達というほど会話をする人はできませんでしたが、本当にたくさんの出会いがある巡礼だと思います。
会話はとくにしなかった人でも、再会を果たすと嬉しいものです。つらい道のりを乗り越えてきた同士だからなのか会うと自然と笑顔になれるのです。
そんなこんなで、今日も4時間ちょっと歩き、目的地に到着しました。
モンテ・ド・ゴゾのアルベルゲのオープンは13:00から1時間以上早くに着いてしまいました。なので一番のり。
まるでひとつの村のようなアルベルゲは、なんだかさびれた様子。時間を持て余した私は、少し散歩がてらに歩き回ってみると、ほとんど廃墟でした。昔はこの敷地内にレストランやバル、スーパーマーケットやお土産屋さんもあったようですが、いまは空っぽ。怖いくらいです。
どうやら今は3棟のみが現在のアルベルゲで、そのほかはもうすでに使われていないようです。残り5キロ地点のここ、そんなに巡礼者が来る理由はないのでしょう。私は人がたくさんいてもっと活気のあるアルベルゲなのかと想像していたので、これには驚きました。
その後は待ちながらお昼ご飯を食べたりしていました。
アルベルゲが開いて巡礼者の人達もぞくぞくとやって来ました。まあまあ人は来るようです。
その後はもういつも通りなので割愛。
夕食にビールをのんでちょっとふわふわになった二人は、アルベルゲの上にある丘のモニュメントを見に行きました。
しかしながら見つからず、見えないじゃないか〜〜なんだ〜残念と、帰ろうとしたら、諭さんが見つけてくれました。
よくよくみると木に紛れて並んでいるサンティアゴコンポステーラの尖塔が!
うおー!(歓喜)
ついに本当にここまで来たのだと実感しました。もちろんまだ先を目指して歩く予定なので、最終地点ではありませんが、やはりここに来る為に歩いて来た道のりを考えると自然と嬉しくなります。
さあ明日はいよいよ、コンポステーラへ。
二人とも怪我も病気もせずここまで来れたこと、感謝しかありません。