ドゥンブリア
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ドゥンブリア
またやってしまいました。3度目。日記を書きながら寝てしまい目覚ましをセットし忘れて寝坊です。これが仕事なら笑ってすまないことです。社会人として恥ずかしいです。これからはまず目覚ましをセットして日記を書きます。
慌てて起きて、身支度。どうにか予定より30分の遅れでスタートできました。今日も20キロです。公営のアルベルゲは予約不可で、先着順なので歩きの遅い私達はなるべく早く出て早く到着しておきたいのです。なので寝坊は命取り。気持ちが焦ります。
今日もなかなかアップダウンがあり、早くいきたいのに、身体が言うことを聞きません。
それでも、焦って足の痛みを我慢して歩いていたのですが、スタートから2時間。すでに足首の痛みがではじめてきていました。
まるで足ツボの上を歩いているかのように砂利道の石のひとつひとつが足の裏を刺激して痛いのです。土踏まずのあたりの筋がピーンと張っていて、そこに大きめの石が当たるとズキンと痛みが走ったり。傾斜のある道は足首の関節が痛いし、時々足の踏ん張りが利かず砂利や木の枝で滑ったりと、痛みに堪えながら脂汗が出てくるくらいです。
多分これ位の痛みは巡礼者は誰しもあると思うのですが、私の性格上、それがさも自分だけのように感じて、一人で辛い思いをしてる気になるのが悪い癖です。
だんだん痛みのせいでイライラしてきて、ふてくされてくるのでまた厄介です。後から考えるとバカらしいのですが。
今日は朝雲海が見えたり、風力発電のある丘を歩いたり、放牧された牛のいる道を歩いたり小川のそばを歩いたり、天気も景色も最高だったのですが、あまり楽しむ余裕はありませんでした。
ただ、先日のサンティアゴコンポステーラがあまりゴールらしくならなかったのが良かったな〜と今更ながら思いました。何故かと言うと、もしサンティアゴコンポステーラがゴールらしく、感動的な終わりを迎えてしまっていたら私は燃え尽き、歩くのをやめてしまっていたかもしれないと思うからです。サンティアゴコンポステーラがあの日あまりいい印象ではなかったので、そしたら、海を見るまで歩いてやろう!と言う気が起きたのだろうということです。
そうでなければこの2日間。そして今日こんなに辛い道を乗り越えられてなかっただろうと思います。
今日が終わればあと残り2日間。
富士登山で言えば今は8合目。
これを達成すればあの忌々しい後悔をついに払拭できるかもしれない。
そんなことを考えて、手に汗握りながら、歯を食いしばり、アルベルゲに到着しました。
諭さんも途中から古傷のある右膝の痛みがあったため、今日は辛かったようです。やっぱり自分だけが辛いなんておこがましいですね。二人で頑張って最後まで行きたいと思います。
でもここのアルベルゲはとても綺麗で、ゆっくり出来そうなところだったので良かったです。
キッチンもないと思っていたのですが、付いていたのでお腹いっぱい食べられそうです。
ここに泊まる巡礼者は思ったよりは多くなくアルベルゲも満床にはなりませんでした。焦る必要はなかったようです。
アルベルゲでは、日本人のごとうさんに会い、夕食後のひと時に色々と話をしました。
コンポステーラまではちょこちょこ日本人と会うことはありましたが、コンポステーラから先の方が会う人と行く人の比率的には多い気がしました。日本人はお礼参りにフィステーラまで行く人が多いのかなと感じます。
さて、明日はまた20キロ。ムシアという町にいきます。ついに海です。ムシアには聖ヤコブがスペインでの布教に苦戦していた時に聖母マリアがあらわれたと言われているところの教会が有名だそうです。